焼き芋の歴史
焼き芋は、古くから日本の人々に親しまれてきた伝統的な食品であり、その歴史は何世代にもわたります。
近年では「焼き芋ブーム」と呼ばれる現象が再燃し、新しい焼き芋の形や楽しみ方が登場して注目を集めています。今回は、焼き芋の歴史とともに、近年の焼き芋の変遷についてご紹介します。
焼き芋の起源と伝来
1605年に中南米産の甘藷(かんしょ)が琉球(現在の沖縄)に伝わり、その後、薩摩(現在の鹿児島)を含む九州各地を経由して日本本土に広まりました。
江戸時代には、食料難対策として、庶民の間で広まり、今日では焼き芋は手軽に調理できる上、保存性も高いため、栄養価が高い食品として食卓に根付きました。
焼き芋というのは、かんしょのおいしい調理法といわれています。
甘藷(かんしょ)とは
甘藷は、さつまいものことを指し、唐芋(からいも)や琉球薯(りゅうきゅういも)とも呼ばれている。
江戸時代からの焼き芋ブームの歴史
- 第1次ブーム:文化・文政期(1804年)~明治維新(1868年)
- 第2次ブーム:明治時代~関東大震災(1923年)
- 第3次ブーム:1951年~大阪万博(1970年)
- 第4次ブーム:2003年~現在
焼き芋は江戸っ子の好みにぴったりだったとされていて、寛政期(1789~1801)に登場すると大評判になり、冬のおやつの代名詞のようになりました。
砂糖が高価だった時代には、甘みが感じられる焼き芋は貴重な存在でした。焼き芋は屋台で売られることが一般的で、江戸の街中では焼き芋の香ばしい香りが漂い、多くの人々が寒い季節に体を温めるために焼き芋を楽しんでいました。その後、明治時代には都市部での人口増加や生活水準の向上とともに、焼き芋がさらに普及しました。
2000年代に入ると、焼き芋が再び注目を集めるようになりました。2003年頃から「平成の焼き芋ブーム」が到来し、背景には技術の進化と新品種の開発がありました。焼き芋専用のオーブンの登場し、じっくり焼きやしっとりとした食感など好みにより選択肢が広がりました。
「紅はるか」や「安納芋」といった甘みが強く、しっとりとした食感が特徴の品種が次々に登場し、焼き芋の人気に拍車をかけました。
焼き芋は、これまでの庶民的なイメージから一転して、健康的でおしゃれなスイーツとしても注目されるようになりました。東京都内では焼き芋専門店が次々にオープンし、これにより、若い世代や女性を中心に焼き芋が再び人気を集め、SNS上でも「焼き芋」の写真が話題となっています。
焼き芋の新しい楽しみ方
焼き芋ブームでは、従来の「ホクホク感」を重視した焼き芋だけでなく、「しっとり」「ねっとり」とした食感を求める人が増え、さらに甘みを強調した品種が人気となっています。焼き芋専門店では、通常の焼き芋に加えて、焼き芋ソフトクリームや焼き芋プリンなどのデザートメニューも登場し、焼き芋の新しい楽しみ方が提案されていて、季節を問わず楽しめるようになっています。
また、技術の進化により、焼き芋の調理方法も多様化しています。手軽にプロの味が楽しめるようになり、自宅で焼き芋を楽しむ文化も広がっており、インターネット上では焼き芋のレシピや焼き加減の工夫についての情報交換が盛んに行われています。
焼き芋の健康志向と未来
焼き芋は、食物繊維が豊富で、健康志向の高まりとともに注目されています。特に、食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、現代人の生活習慣病予防にも役立つとされています。また、低カロリーであるため、ダイエット食品としても注目を集めています。焼き芋専門店では、無添加・無農薬のサツマイモを使用したオーガニック焼き芋も販売され、健康志向の消費者にも支持されています。
サステナブルな視点からも焼き芋は注目されています。サツマイモは比較的環境負荷が低く、持続可能な食材とされています。こうした背景から、今後も焼き芋の需要は増加することが期待されています。
焼き芋の今後の展望
焼き芋はその長い歴史を通じて、何度もブームを迎えながら日本人に愛され続けてきました。現在の焼き芋ブームは一過性のものではなく、新しい食文化として根付きつつあり、今後もさらに多様な形で進化していくと考えられます。焼き芋の楽しみ方も多岐にわたるようになり、季節や場面を問わず、日常的に楽しめる食品としての地位を確立しています。
いも平では、これからも看板メニューだけではなく、時代に合わせた新しいメニューも随時提供していきます。まだ食べたことがない方は、是非いも平の焼き芋を1本でも良いので食べてみてください。
味に自信ありです!